
節約が習慣になると、いつの間にか「お金を使うこと」に少し抵抗を感じてしまうことがあります。
決して我慢しているわけではないのに、使う瞬間に“罪悪感”のようなものがよぎる。
僕自身、そんな感覚をここ数年ずっと抱えていました。
節約が当たり前になり始めた20代後半
社会人十年目の28歳のころ。
節約はもう“生き方そのもの”のようになっていて、息をするのと同じくらい自然なことでした。
「安いが正義」「外食で1000円以上は贅沢」。
そんな価値観が染みついていて、節約を“努力”だと思ったことは一度もありません。
むしろ、お金を使わずにうまく暮らせたときに感じる達成感や、
節約生活の中にある静かな心地よさが好きでした。
(今も好きです)
使わなくても十分に楽しいし、工夫次第で日々は豊かになる。
だからこそ、“お金を使わない暮らし”は僕にとってごく自然な生き方でした。
ただ、そんな中でも──
いつもより少し多くお金を使う瞬間、心のどこかで「これ、贅沢すぎるかな?」とブレーキがかかる。
その“わずかな抵抗感”が、次第に罪悪感のような形で積み重なっていきました。
お金を使うのが怖くなった理由
今思えば、それは「貯めたお金が減るのが怖かった」から。
僕は高校生のころから「社会人になったらしっかり貯金をしよう」と決めていました。
理由はシンプルで、老後が怖かったからです。
23歳のとき、副業にも挑戦しました。
会社員として働くことがどうしても嫌で、「個人で稼げるようになって独立したい」と思ったのです。
けれど、副業は思うようにいかず、成果が出ないまま数年が過ぎました。
それでも僕は悲観することはなく、「じゃあ無理せず、自分に合った生き方を選ぼう」と思いました。
以前の職場は責任や人間関係のストレスが大きかったので、
思い切って転職し、今は気持ちに余裕のある仕事をしています。
「収入が少なくても、使わずに楽しく生きられたら最強だ!」
当時の僕はそう考え、節約をポジティブに楽しんでいました。
ただ、その“節約の感覚”が長く続いたことで、
知らず知らずのうちに“お金を使うこと”への苦手意識が育っていたのだと思います。
「天に召されたとき一番お金持ちかも」と気づいた日
そんな僕が変わり始めたのは、つい最近のこと。
2025年に入って、自分のお金の使い方を見つめ直したとき、
ふと「このままだと、天に召されたとき一番お金を持ってるかもしれない」と思ったんです。
もちろん、僕はお金持ちではありません。
会社員としての年収は200万円ほど。
しかし、年間の支出は多い年で160万円ほどで、普段の暮らしの中でも自然とお金が貯まっていく仕組みになっていました。
20代からコツコツ積み立ててきた資産運用も少しずつ増えていて、
気づけば、支出よりも貯まっていくペースのほうが早くなっていたんです。
そのとき、初めて危機感を覚えました。
お金を貯めるのは大切だけど、“使えないまま”人生が終わるのはもったいない。
そこで僕は、「お金を使う練習をしよう」と決めました。
お金を使う“練習”を始めた2025年
お金を使うといっても、もちろん無駄遣いはしたくない。
だから僕は、今年の目標として「一人旅行をする」ことにしました。
旅行はもともと大好きで、20代半ばから2カ月に1度はどこかに出かけていました。
ただ、以前はできるだけお金を使わない“節約旅行”。
食事も安いお店中心で、観光よりも“街歩き”がメインでした。
それはそれで楽しかったけれど、今年からは少しだけ変えてみたんです。
旅先で気になった博物館に入ってみたり、地元の名物をちょっと贅沢に食べてみたり。
「使う練習」と思ってお金を使ってみたら、驚くほど満足感がありました。
さらに、趣味のコーヒーにも少しずつお金をかけるようになりました。
以前は豆を買うにも価格を気にしていましたが、
今は“自分の時間を豊かにしてくれるもの”として、少し上質な豆を選ぶようにしています。
お気に入りの一杯を丁寧に淹れる時間は、まさにお金を心地よく使っている瞬間です。
そして今年2025年は、お金を使う練習として、会社員としての収入はすべて使ってみると決めました。
もちろん浪費ではなく、経験や生活の質を高めるために。
「お金を動かすことで、自分の暮らしや心がどう変わるのか」を確かめてみたかったんです。
特に博物館は、予想以上に面白くてハマってしまいました。
展示を見ながら知らない世界に触れる時間は、心がすごく豊かになった。
それに、旅先で食べたご飯がYouTubeのレシピづくりのヒントにもつながったんです。
結果的に、“お金を使うこと”が副業や人生の糧になるという、最高の経験になりました。
お金は「道具」。使ってこそ意味がある
僕はまだまだ修行の途中です。
もちろん、節約してお金を貯めることはとても大切。
でも、節約脳になりすぎると「お金=正義」みたいな感覚に陥ってしまう。
お金は道具。
持っているだけでは、ただの数字にすぎません。
そして道具だからこそ、上手に使う“技量”も必要なんだと思います。
たまには「使う練習」と思って、お金を使ってみるのもいい。
使ってみないと、自分にとって“幸せなお金の使い方”は見えてきませんからね。
正直なところ、2025年の僕はこれまでにない金額を使っています。
いつもより年間で40万円ほど多く使っているので、
家計簿を見返すと、今でも数字を見た瞬間にドキッとすることがあります。
それでも、「これは自分に必要な経験なんだ」と思えるようになったのは、
少しずつ“使うこと”への考え方が変わってきた証拠かもしれません。
お金は、貯めることも使うことも、どちらも大切。
結局はその“バランス”こそが、暮らしを豊かにする鍵なんだと、最近つくづく感じています。
🌿あとがき
節約が当たり前になった人ほど、実は「お金を使うこと」に不安を感じています。
でも、お金は“使い方次第で暮らしを豊かにする道具”。
これからも、少しずつそのバランスを探りながら生きていきたいと思います。